実際に30坪2階建ての家を建てて5人で住んでいますが、狭さは空間のメリハリを工夫することで乗り越えることができます。
こんにちは、ひねもすママです!
「子供3人の5人家族に2階建て30坪は狭い?」「せっかくだから広いマイホームを建てたいのに設計図は30坪しかない」と悩んでいませんか?
この記事では、「土地の都合で30坪しか建てられない」「予算がギリギリで30坪が限界だけど5人にはさすがに狭そう」とお悩みの施主に向けて、着工前は同じ悩みを抱えていた私が実際に建てた後「5人家族に30坪2階建て」の住み心地と狭さの解決策をお届けします。
間取りを自分のライフスタイルに徹底的に合わせることでお悩みが解決しますのでぜひ最後までご覧ください。
この記事は次のような人におすすめ!
・5人家族なのに提案された図面が30坪で落ち込んでいる人
・広いマイホームに憧れていたのに営業マンから30坪で話を進められている人
・理想のハウスメーカーで30坪か安いビルダーで40坪か迷っている人
2023年に完成した我が家は104.76平米、約31坪です。設計図は当初28坪でしたが吹き抜けを非採用にすることで3坪延べ床面積を広くすることができました。それでも世間的には狭い部類に入る30坪の家。空間にメリハリをつけることで満足のいく間取りになりました。
5人家族に必要な延べ床面積は最低18坪、35坪で普通、45坪でゆとり、30坪はやや狭い
国土交通省によると5人家族が住むのに最低限必要な広さは約18坪です。
本当に最低限の面積ですのでかなりライフスタイルに制限が出てきます。
「狭さをがまんする」という感覚がなくなるのは35坪からです。
反対に延べ床面積が45坪とれれば、子ども3人を含めた家族全員のプライベート空間が保たれ各居室の面積を余裕をもって確保することができます。
つまり、5人家族で延べ床面積30坪の場合は「どの部屋も満足な広さ」にはできず、どこかで「狭さを許容」する必要があります。
そう言われると「やっぱり狭いのか〜」って落ち込んじゃいそうだけど…
面積は変えられなくても「住まい心地」を良くしていく工夫をすれば狭さを感じにくくなるよ!
新居での生活の質を上げるには間取りの工夫が必須です。
2階建て30坪は平屋よりも狭い実質28坪(92平米)だがマンションでは5人家族の広さ
平屋の30坪に比べて2階建てでは階段分のスペース各階1坪分を要します。
ということはマンションでいう28坪分、実質92.5平米です。
100平米きると思うと一戸建てとしては面積が決して広くはないことを実感します。
ただし90平米超えのマンションと考えると4人家族なら広め、5人でも生活できる広さです。
間取りを徹底的に自分のライフスタイルに合わせる
90平米超えのマイホームならではの「広さ」の恩恵を享受するには間取りにメリハリをつける工夫が欠かせません。
ポイントは以下2点です。
①必要なところには惜しみない面積を でメリハリ
②我慢できる部分は最小限の面積 でメリハリ
広さが足りている場合の間取りの比率をそのまま「5人家族には少し狭い30坪」に当てはめてしまうとどの場所にも不満が残ります。
空間にメリハリをつけることで住み心地がよくなり愛せるマイホームになります。
必要なところには惜しみない面積を
自分が「妥協したくない!」と思ったところには必要な面積をしっかりと確保していきましょう。
ご参考までに我が家がの実践例をご紹介します。
ちなみに我が家は引っ越し時には3トントラック2台分の大荷物(大量に断捨離して荷物量3分の2くらいになりましたがそれでこの量)でしたのでモノが多い家族です。
30坪5人家族でもできたこと①ゆったり1.25坪タイプ浴室を採用
1坪タイプよりも洗い場の広い1620タイプの1.25坪ユニットバスを採用しました。
当初から設計士さんがこのサイズで組み込んでくださっていましたが、これは大正解です。
小さい子供たちと親の私が一緒に入れます。
バスタブも少し幅の広いステップ付きのタイプにしましたので子供が小さいうちは一緒に湯船につかることができます。
一人で入るときも空間が広いとリラックス出来て最高です
30坪5人家族でもできたこと②900㎜×2の広々ミラー付き洗面台と脱衣所
3姉妹が朝の支度で鏡の前に立ちたいお年頃になっても大丈夫なように1800mmの収納付きミラーを採用しました。
1人分の幅しかない洗面台の横に洗濯機、という配置だと朝の大渋滞が予想されますのでこれは正解だったと思います。
背面に洗濯機と下着などの収納スペースがあり快適な脱衣所で、広さ的にここは満足しています。
広めのお風呂から上がった後の脱衣スペースも広々なので日々のストレスがありません。
30坪5人家族でもできたこと③2700mmキッチンを採用
一般的なキッチンの幅は2400、2550、2700mmあたりで2550mmがよく採用されるそうです。
「台所」というだけあって、シンクとコンロの間の「台」のスペースがけっこう重要。
5人分の食事が出来上がって盛り付けるときは2700mmサイズのキッチンでもフル活用です。
30坪5人家族でもできたこと④602リットル冷蔵庫を搬入できるスペースを確保
一番大きいクラスの冷蔵庫です。
5人家族のおなかを満たす冷蔵庫は大きいサイズが安心ですので、この冷蔵庫サイズありきで間取りを設計してもらいました。
30坪5人家族でもできたこと⑤アップライトピアノを搬入
引っ越しの後にさらにピアノを購入。
なんと5人家族+ピアノで30坪の家に住んでいます。
新居を建てたら長女の練習用にアップライトピアノを購入する予定でした。また、他に楽器を習っている家族もいるので小さいながら防音室をつくり、そのなかにピアノを搬入する予定で設計しており、引っ越し後に購入しました。
30坪5人家族でもできたこと⑥210cmクリスマスリーと雛人形2セットを収納するクローゼット
小さな家になることはイメージしていましたが子供には大きなツリーを飾りってあげたい!という気持ちがあったのでしっかり大人の背丈よりも高い210cmのツリーを購入しました。
加えてうちは女の子ですので長女の時に買った三段飾りの雛人形。
さらには実家から持って行かされた私の七段飾りの雛人形。
これら全て室内に収納することが必須でした。
我が家は2階の寝室横にファミリークローゼットを配置しています。
家族全員分の服とバッグ、210cmのツリー、三段飾り雛人形、七段飾り雛人形、着物、客用布団、スーツケース2個をおよそ3畳のクローゼット内に収納。
一部、天井を高くしてもらったので何とか全て収まっています。
屋根裏(小屋裏)収納にして昇降用の梯子を付けると費用がかさんでしまうので天井高でスペースをとってもらうアイディアを出していただきました。脚立を使って出し入れしています。
横に面積を広げられなくても縦の空間を増やしてもらうことができるんだね
そうそう!図面と睨めっこしているとどうしても平面で考えてしまいがちだから、縦、特に天井付近の空間の有効活用は一考の価値あり!
我慢できる部分は最小限の面積 でメリハリ
上記の「30坪5人家族でもできたこと」を実現できたのは、思い切って「我慢できる部分で面積の節約」をする工夫のおかげです。
以下我が家の間取りの工夫実践例8連発です。
間取りの工夫実践例①16畳LDKは造作ソファでデッドスペースを無くす
広く見えるLDKは22畳からですが、我が家は16畳。しかもキッチンを広くとっているのでリビングダイニングはおよそ11畳です。
この空間にダイニングテーブル、リビングテーブルを置き、リビングとダイニングの間をソファで区切るような使い方をするとかなり狭く感じます。ソファの真後ろと両脇は家族の団らんという意味では空間として生きてこないのでもったいなくなります。
我が家は思い切ってダイニングテーブルのみにし、ソファは造作で壁付けにしました。
こうすることでリビングダイニングが一つの空間になり全体が憩いの場として生きています。
小さめのコーヒーテーブルくらいはソファの前においてもいいかなと考えています。
間取りの工夫実践例②玄関は極小サイズに抑えた
妻の私はもともと広い玄関が絶対条件のつもりでした。
実家が来客の多い家でしたし、祖父母と同居して玄関が同じだったので、外出時は一斉に靴の脱ぎ履きができて快適でした。
玄関の突き当たりに季節の花を生けたりと玄関の空間全体を楽しむ習慣もありました。
それに比べて玄関の狭いお宅では、お邪魔したときに靴を脱ぐのも一苦労。一斉に帰る時など渋滞してしまうのが、せっかくのおもてなしの雰囲気を壊してしまうような気がしていたのです。
結果は理想の間逆を行く極小玄関になりました。
1坪でも狭いと言われる玄関が我が家がたったの1畳です!
ベビーカーも置けませんので畳んで収納するかほとんど車に乗せっぱなしにしています。
この玄関に機能的に満足しているはずは無いのですが、家の中での他の空間の面積を確保するのにかなり貢献しています。
入口の狭さが茶室を思わせる閉じた空間で、すぐにリビングと庭が見えるとかえってメリハリが効いていて味があるとも言えます。
広い玄関に重点を置く場合はほかに妥協できるところを探していけばOKです!
間取りの工夫実践例③シュークロは非採用にして階段下を活用
一時期シューズインクローゼットが流行しましたよね。
靴だけでなくアウターなどもしまえて外出が楽な動線にも憧れましたが我が家は非採用です。
玄関の1畳よりさらに一回り狭い空間をドアで仕切り、その中に靴、ゴルフバッグ2つ、BBBQコンロ、傘、ほうき、小さな日よけテント、虫よけスプレーやガーデニング用品を詰め込んでいます。
子供が小さいので私も毎日スニーカーしか履きませんし、パンプスは別の場所に収納しています。
夫はいつ何を履きたいのかいちいち「あれどこ?」聞かれると面倒なので全てここに置いています。
玄関と合わせて2畳足らず。土間スペースを最小限に抑えることで生活スペースを広く確保しました。
間取りの工夫実践例④パントリーは非採用にして空間を生かす
オシャレな若い主婦さんのインスタを見まくっていたので私はパントリーに憧れていたんですけどねー。
キッチン幅を広くとってもらていましたし、その背面に同じ幅で大容量収納をたっぷりとってあったので、パントリーは無しです。
完全に裏方の部屋になってしまうパントリーは30坪の家にはもったいないです。
引き出しや吊戸棚を活用すれば食品も十分ストックできます。
我が家のキッチンはリビングダイニングから入って通過することで回遊してちょっとしたカウンターデスクとトイレとその先にまたリビングダイニングへ、と居住空間に溶け込んでいます。
間に閉じた空間をつくると「家族の居場所」に生かせる面積を減らしてしまうので、そういった意味でもパントリー無しが家の満足度に貢献しています。
間取りの工夫実践例⑤子供の個室は無し、将来仕切っても一人3.3畳
初めから個室を3個作ろうとせず、今は一続き10畳の空間にしています。その両端にベッドを置いています。壁を作りたくなった時には1日で施工できるとのことでした。
机とベッドを置いておしまいの3.3畳ではありますが必要とあらば3分割も可能、さらに将来また一続きの空間に戻すことも可能です。
最近4.5畳で子ども部屋を用意する家づくりもよくありますが、さらに踏み込んだ狭さです。
ただこれは上がまだ小学生、3人とも同性ならではの策かもしれません。
また我が家の場合共同スペースを広くとりたいので個室はあえてこもる感じ、閉じた空間として狭さをむしろ楽しめるように考えて家づくりをしました。
間取りの工夫実践例⑥寝室は5.5畳
シングルベッド2台と背の低い本棚を置いています。
ファミリークローゼットとつながった空間になっているのでこの寝室はただ寝るだけの空間と割り切ってコンパクトにしています。
間取りの工夫実践例⑦トイレは最低限の広さで1つにした
同じものを2つ作ることをやめて少しでも面積を確保しました。
2つあれば来客用と分けられる、使いたい人が重なっても気にしなくていい、感染症時に家族内隔離ができる、といったメリットはあります。
一応、おなかの弱い家族ですが今のところトイレが1つで何とかなっています。夫は万が一の時には近くのコンビニに走るとか、子供ならお風呂でさせるとか考えていましたが1年間そんなピンチはありませんでした。「早くしてよ~」くらいはたまにありますが年に2、3回あるかないかです。掃除も1か所で楽です。
感染症対策としては子供が小さいこともありトイレを分けたくらいではどうにもならないほど密着度が高くコロナでも何でも常に全滅ですから今更気にしていません。
また、海外の様に広めのトイレに鏡と手洗いを備えたパウダールームのような広さに憧れていましたがあえなく却下です。機能が果たせればよしです。
ちなみに、コンパクトな面積ですのでトイレ自体はタンクレスを採用し前後の空間に圧迫感がないようにしています。
2階のトイレにできそうだった場所はミシン、除湿器、こどもの学用品ストック、こどもの作品、趣味の油彩用品、バースデー・七夕・ハロウィン等季節イベント飾り付け等の収納場所になっています。
ただ、これもトイレ絶対2つ!ということであれば少しの面積ですのでつくることもできます。
間取りの工夫実践例⑧トイレの手洗いと客用手洗いを兼用
我が家のトイレはタンクレスで室内に手洗いがないので、引き戸を開けて出たところで手を洗います。
お店や公衆トイレと同じように考え、ドアをきちんと掃除していればきになりません。来客も違和感なく利用しています。
そのトイレ後の手洗いは外から来た時に「手を洗わせてー」と来客に言われて使用してもらうものと兼用です。
浴室横の洗面台に案内するよりもスマートなので重宝しています。
間取りの工夫実践例⑨極力引き戸を採用
ドアが開くたび空間が遮られるのは狭い空間では余計に狭く感じるものです。
複数のドアの開け閉めがお互いに干渉しようものなら「こちらを閉めてからこのドアを開けないと」などと生活にも制約が出て狭さを実感する羽目になります。
間取りの都合で全部とはいかないかもしれませんが、我が家は1階玄関内の下駄箱収納部以外は全て引き戸にしました。
開け放っていれば空間がつながって広く感じるのも引き戸のメリットです。
間取りの工夫実践例⑩吹き抜けをやめて総二階にして3坪アップ
冒頭でも書きましたがもともと28畳のリビング吹き抜けプランを提案されていました。そこから31坪まで漕ぎつけたのは総二階のプランに変更してもらったためです。
吹き抜けの非採用は寒さ対策もありましたがやはり延べ床面積アップ効果は大きいです。
5人家族ですから吹き抜けよりも何とか延べ床面積を増やして収容力をアップさせたいところです。
結果、生活音の筒抜け感も吹き抜けよりは抑えられましたし6畳分と思うとなかなかの面積ですので総二階を選択してよかったと考えています。
5人家族で30坪(実質28坪)の家は広くはないが自分たちらしいライフスタイルを満喫できる
振り返ると、40坪台のプランを常に提案してくれた会社さんがありました。
そこは数年前に訪れた際力強い説明をしてくれた営業マンの方がいてそのイメージで訪れた地域密着型のホームビルダーでした。コストカットできる社内外構造があり、実現する価格だとのことでした。その後家づくりの機会が保留になって、今回動き始めた時に改めてついた担当の方は誠実な営業マンとフレッシュな若いプランナーさんでした。
何度も何度も打ち合わせに行きましたし見学もしました。こちらの要望を伝えながら何度もプランを描いていただきましたが、素人の自分が機能面だけのリクエストをしてもそのまま落とし込まれているだけでどうもワクワクしない。仕上がりの素材感も、「ウチでできます」と仰っていただくけど写真を見ていてどうも欲しい質感ではない気がする。
一方で坪単価こそ安くはなく予算内では30坪前後でしか建てられない工務店。打ち合わせもプランも希望を取り入れながら「私たちが家づくり求めているワクワク」のつまったものでした。
もし私たちが40坪の家を手に入れたとしても、家づくりの打ち合わせに不満が残ったり、出来上がった住まいの空間に居てみても「なんだか自分らしい家という気がしない」と感じたり、そんなのはもったいなかったと思います。
5人家族で延べ床面積31坪の2階建てに住む私たちの経験が、何か一つでもみなさんの住まいづくりのヒントになることを願っています。
最後までお読みいただきありがとうございます!
コメント